監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
日本公開 1989
出演者 フィリップ・ノワレ ジャック・ペラン サルヴァトーレ・カシオ
音楽 エンニオ・モリコーネ
この映画を観たのは高校生の時でキネマ旬報?の試写会応募で見事に当たり、映画好きの友人と観に行くことが出来ました!
で、その映画館の場所が、、
銀座!!
銀座シネスイッチの単館上映でした!
横浜に住んでる高校生にしたら『銀座』ってワードは、、
煌びやかで『大人の街』や『金持ちが集まる街』って印象だった。
銀座に行く機会なんて無かったので、帰りは銀座の街を見てまわろう!
って事になっていた(^O^)
確か、寒かった時期だった気がするから10月とかだったかな?
❝初銀座!!❞
大人っぽい格好をしたくて、横浜の❝高島屋❞にコートを買いに行ったくらい
❝銀座❞に対して気合いが入っていた。
正直、『ニュー・シネマ』の情報は殆ど無く、全く期待してなかった!
なんなら、俺ら2人は❝銀座の夜❞の方が興味の比重が大きかった!
けど、、、
映画を観終わった後は、二人ともほぼ無言で電車に乗った。
銀座の夜なんて頭はどっか行ってた。
そして、、
やっと会話をしたのは何駅か過ぎた頃だった!
高校生の時って、感動して映画を鑑賞中に涙を流すって、恥ずかしいじゃない!?
ましてや男友達がいる。ってシチュエーションなら、なおさら。。
上映中はお互いに泣いているのがバレないよーに、気付かれないようにしてたんだど、、
無理でした(笑)
溢れ出る涙を抑えるのも無理だったし、ごまかせるレベルじゃなかった(>_<)
それくらい、この映画は素晴らしい!!
「それくらい」の使い方が変だけど(~_~;)
それくらい感動して泣いたって事ね!
映画が大好きな人は本当に数多くいると思う!
特に、こじひで世代の人は『ニュー・シネマ・パラダイス』を
『映画史に残る〇〇』
とか
『名作』
などの言葉で称賛しますが、、
まさに、その通り(^O^)/
ストーリーは勿論素晴らしいけど、その映像に輪をかけて名作に押し上げてくれたのは、
全編に渡り聴こえてくる エンニオ・モリコーネ の音楽!!
スターウォーズや、インディージョーンズ、バック・トゥ・ザ・フューチャーなど、、
シーン+音楽でテンションMAXになる事はあったけど、、
何て言えばいいんだろ?
映像と音楽がここまで融合する映画は、この当時、そして今現在でも観た事がないです!!!!
この映画は確実に『好きな映画』BEST5に入ります!!
そして、、
この映画には、バージョン?があります。
簡単に言えば❝上映時間❞
- 173分: 「ディレクターズ・カット版、完全オリジナル版」
- 155分: イタリアで上映された「オリジナル版」
- 123分: 「劇場公開版」、DVDでは「SUPER HI-BIT EDITION デジタル・リマスター版」
※ DVDは「完全オリジナル版」と「劇場公開版」しかない?
イタリアで上映された「オリジナル版」ってのか見かけた事がない。
こじひでが観た試写会も『劇場版』でした。
その後は横浜の本牧シネスイッチでも上映されるよーになったので、毎週末に観に行き
気付けば映画館に4回、足を運んだ。
この映画の❝劇場版❞と❝完全オリジナル版❞を見た人には伝わると思うけど、、
2つの映画を見比べた時の感想は、、
感動するトコ、考えさせられるトコが、かなり違うんじゃないかな!?
ん?同じ映画で、短いか、長いか。だけの違いじゃないの?
という疑問が生じるのも理解出来るんだけど、、
なんて説明すればいいんだろ!?
いや、ホントに受ける印象と感情が違うんだよーー(>_<)
なぜなら、、
劇場版(劇場公開版)と完全オリジナル版では、テーマが違ってくる!!
まだこの映画を観ていない人に。。
こじひでの推奨は、劇場版を先に観て(自分の幼少期や何かに夢中になっていた頃)を思い出しながら映画に魅入って欲しいです
その後に、色々な事を経験してきたからこそ魅入れる完全オリジナル版を観て欲しい!
私は高校生の時に劇場版を!
そして、それなりの経験をしてから完全オリジナル版を観れたのは、、
最高に幸せだったと思う!!
本来、こじひではネタバレに関しては本人の自由だと思っているんだけど、、
思っていても、、
声を大にして提案させて下さい!!
まだ、この映画を観てない人は、、
出来ればこの先を読むのをやめて、映画を観てからブログを読んでくれて、、
『分かる分かる』と共感してくれたら嬉しいんだけど、、
一応、バージョンの違いと、ネタバレは分けて書きます!
【劇場版と完全オリジナル版の違い】
共通って言うのかな?
戦時中?戦後?のシチリア島(イタリア領)
唯一の娯楽施設は村の広場にある映画館「パラダイス座」
その「パラダイス座」を愛した村人達の生活や時代背景が描かれている。
劇場版
映画を愛し、映画に魅了された少年トト=サルヴァトーレ・ディ・ヴィータ。と
映画技師アルフレードの歳の差を越えた友情がメインの物語。
トトが青年になり、恋や失望を味わい、アルフレードが父親代わりになり、トトに人生を諭して、トトの将来(現在)に影響を与えたストーリー。
完全オリジナル版
劇場版にプラスで、数十年ぶりに帰郷したサルヴァトーレとエレナの再会を含んだ物語が中盤~後半に濃く描かれていて、中年になった現在のサルヴァトーレの人物像によりスポットが当たっている。
ここまで読んでくれて、、
❝映画を観てみようかな?❞と思ってくれた人は、、、
ここが最終ラインだからね!!!!
注意!!!!
~~ここからはネタバレになります~~
〈ストーリーと感想が混在しちゃってます〉(>_<)
冒頭で、故郷の母から電話を受けた中年の男性(サルヴァトーレ)。
母から、アルフレードが亡くなった。と、告げられる。
サルヴァトーレ ❝トト❞ は、ベッドの中で、子供時代に仲良くなったおじさんに付きまとい、映画に夢中になっていた幼少期と、故郷、そして❝パラダイス座❞を回想する。
※この時点では、まだヨーロッパ特有?のゆっくりした展開と人間模様の物語かと。。
幼少期のトト❝純真無垢❞がテーマ
自分の好きな事に夢中になり、可愛らしい少年と近所の、おじさん。って感じだった。
親から渡されたお金を自分の夢中になってるモノに使い込んだり、仕事の邪魔になるのも気にせず自分の感情や行動を優先させるトコに、自分の経験を重ねて観ていた。
幼いトトが❝映画の仕事❞として、映写技師としての知識や技能を身に着けて行く。って
シーンは自分がトトの兄貴にでもなった気分で自分自身も嬉しくなった(*^▽^*)
で、❝パラダイス座❞の悲劇があり、、(T_T)
少年から青年に時が移り行く。。
❝トト❞から❝サルヴァトーレ❞へ。。
ここのシーン転換で、、
アルフレードの手が❝トトの顔❞を上から下に撫でると、、
青年になったサルヴァトーレの顔が現れる。
といった時間軸の表現?っていうのかな?少年→青年。の見せ方。
この見せ方が印象に残っている。
1番好きな見せ方!!と言いたいんだけど、、
こじひでが2番目に好きな見せ方です!!
この映画の少し前に観た『インディージョーンズ 最後の聖戦』で、
インディーの青年期(リバー・フェニックス)が大人になったインディー(現在に戻った)を、帽子で時代の切り替え(時間の経過)を表すシーンがあり、、
リバー・フェニックス→ハリソン・フォード
って大好きな俳優の移行があったので、そっちが1番になっちゃうんだよなー。。
話しはそれちゃったけど、、
青年期のサルヴァトーレは❝恋❞がテーマ。
撮影に興味を持ち始め、そこで目にした女性。。
初恋をし、女性に対する不安、期待、悩み。。
恋をした青年の言動が素直に表現されてる。
そして、恋人や家族、大切な人との別れ。
故郷を離れるきっかけや、アルフレードの助言。。
現在のサルヴァトーレになるまでの過程が描かれている
サルヴァトーレの中年期(現在)
アルフレードの葬儀に参加するために約30年ぶりに帰郷するサルヴァトーレ。
故郷で懐かしい人々との再会。
そして、、
アルフレードの「柩」?を載せた車が映画館の前で停まる。。
参列していたアルフレードは、、
懐かしい感情と嬉しさが入り交じって何十年ぶりとなる映画館との再会
映画館の前で一瞬、目をつぶり、、
古く、朽ち果てた映画館を見る。。
現実に戻される。
衝撃的な再会。。。
そして、、
『「新パラダイス座」がすでに閉館し、建物は解体され、その後は駐車場になる。』
という事を聞かされる。
葬儀がは終わったが、サルヴァトーレは映画館が解体されるのを見届ける事にする。
そして、映画館を訪れる。
皆が映画に夢中になっていた頃の館内での懐かしい思い出。。
ついに映画館の解体の日。
自分達の歴史や青春が詰まった大切な何かが崩れ去るシーン。。
各々の感情と思いが交差し、その表情が切なく表現されている。
見せ方が上手いな!と思ったのは、、
映画館と共に時間を過ごしてきた人達が空虚感に漂っている描写。
と
❝解体❞を1つのイベントとして捉え、爆破された映画館の施設内を若者達がバイクで滑走してはしゃいでいる描写。
これを対比させる演出。
いや、ほんと、、
上手いです!!
時代の推移、人々の価値観?の違いを見事に表現してるわ。。
そして葬儀の時にサルヴァトーレはアルフレードの妻から
『ロンドンに戻る前に家に寄ってくれ』
と言われていたので、アルフレードの家を訪れる
そこで生前のアルフレードから❝トト❞に遺した形見(フィルム)を渡される。
ロンドンに戻ったサルヴァトーレは、自分の映画会社の映写室でフィルムを視聴する
アルフレードから遺されたフィルムが何のフィルムなのかな?と劇中のサルヴァトーレと一緒に魅入っている視聴者(自分)。。
スクリーンには6、5、4、3とカウントダウン。
ショットはスクリーンを観るサルヴァトーレの表情に切り替る。
サルヴァトーレがスクリーンを観て、驚く!
こじひでも❝何が映し出されてるんだ!!??❞って気持ちに!
トトとアルフレードとの思い出!?
トトとエレナの思い出!?
スクリーンにショットが戻ると、、、
細かいコマを繋ぎ合わせてあるフィルムが。。
幼かった頃に映画を上映する前には厳格な司祭の検閲により❝卑猥❞とされたキスシーンのコマを切り取る作業をアルフレードと切り取る作業があった。
そのカットされたコマのフィルムを幼かったトトがアルフレードに『この部分を頂戴!』といつもしつこく頼んでいたフィルムのコマ。
しつこいトトに根負けしたアルフレードは、
『このフィルムはトト。お前にやる。しかし保管は私がする』
と言った。
※当時に使用されていた映画フィルムは、❝俗に言う【可燃性(ナイトレート)フィルム】と言われるモノ❞で、熱を帯びたフィルムが発火する恐れがあった。
発火してトトを危険な目に合わせる可能性があった為にそーゆー約束をしたんだと思う。
アルフレードからのトトへの形見は、、
そのカットされたキスシーンを繋ぎ合わせた映像だった!!
そんなつなぎ合わせたフィルムから、、
約束を覚えていてくれて保管をしていてくれたアルフレードの想い。
トトへの愛情とエール。が伝わってくるラストシーン。
このエールは、、
『自分のする事を愛せ』
『子供の時、映写室を愛したように』
サルヴァトーレは瞬くスクリーンを見上げながら、当時の追憶とアルフレードとの思い出にふけるのだった。
このシーンでジャック・ペラン(サルヴァトーレ)の演技がマジで上手い!!
演出あったのかな?
監督や演出家はジャック・ペランに全てを任せたんじゃないかな?
こじひで、このラストシーンは❝ローマの休日❞と同じくらい好きです。。
勿論、今までの名作も素晴らしいラストシーンの映画は数多くあるけど、そのほとんどは、『おー!』とか、『よかった!』とか、『感動したー』なんだけど、、
この映画のラストシーンでは、プラスの❝哀愁漂う❞って感情が入ってくるんだよなー!
マジで、ここのシーンと音楽が最高で、、
大号泣すること、間違いなし!!
で、、完全オリジナル版は、さらに、、
現在のサルヴァトーレとエレナのストーリーが足されていて(もともとあったストーリーだから足されている。って表現は違うんだけど)
深堀されて。って表現でいいのか!
帰郷したサルヴァトーレは街中で若いころのエレナそっくりな女の子を見かける。
そして、エレナはボッチャ(作中にも出てくるサルヴァトーレの幼馴染)と結婚し、娘が生まれていたことを知る。
エレナと再会したサルヴァトーレは、なぜ駆け落ちの待ち合わせ場所にきてくれなかったのか!?を問いただすと、エレナは映画館に会いに行ったけど会えなかった。
アルフレードに伝言を頼んだが断られ、アルフレードはサルヴァトーレが村を離れて自分の道を進めるように、エレナにサルヴァトーレと別れるよう説得していたのだった。
それでもサルヴァトーレとの恋を諦められなかったエレナは、引っ越し先の住所とメッセージを上映メモの裏に記し、映写室の壁に残したのだと説明する。
経緯を知ったサルヴァトーレは映画館に戻り、エレナが当時に書いた上映メモを探し見つける。
アルフレードに強い怒りを感じるが、エレナは
「私と結婚していたら素晴らしい映画は撮れていなかった」
と言う。
この辺りのストーリーを「完全オリジナル版」では深堀して描写してる。
正直、この時のアルフレードの行動は、、
正解だし、不正解のよーな気持ちになるけど、、(>_<)
映画を観た人はどんな感想なんだろ??
アルフレードの余計なお世話。と言ってしまえばそれまでだが、、
そこで、作中にあるセリフ。
アルフレードがサルヴァトーレに対して送った言葉。。
『若いのだから外に出て道を探せ、村にいてはいけない、そして帰ってきてはいけない』
『人生はお前が観た映画とは違う、もっと困難なものだ!』
『お前の噂を聞きたい』
このセリフが、、、
なんか効いてくんだよなーーーー!!!!
この映画を振り返ってみると、、
・子供の頃の熱い情熱
・年長者からの教え
・誰かを夢中に好きになる
・恋人との別れ
・故郷との別れ
・夢を叶える
・人生
・懐かしい思い出
なんか全部が詰まってるんですよ。。
劇場版と完全オリジナル版。
どっちが好きですか?
こじひでは、、
劇場版かな。。
長々と書いてしまったけど、、
絶対に観て欲しい映画です!!!
以下、補足として、、
(Wikipedia参照)
1988年にイタリアで劇場公開された「オリジナル版」の上映時間は155分だった。
しかし興行成績が振るわなかったため、ラブシーンやエレナとの後日談をカットして123分に短縮されて国際的に公開され、成功を収めた。
このバージョンの編集も監督本人が手がけている。
2002年には、173分のディレクターズ・カット版が公開された。
もともとの123分版にはエレナの母親が立ち姿でトトと電話で話をしているシーンが含まれるが、公開・ソフト化されたものにその場面は収録されていない。
本当の意味で完全版に一番近いフィルムは現在フィレンツェ某所に存在する。
このフィルムは、2006年フィレンツェで開催した「フランス映画2006」で上映されている。
日本における本作品の初公開は、1989年12月であった。当時、東京・銀座4丁目、和光裏にある200数席ほどのシネスイッチ銀座において、40週におよぶ連続上映を行った。
さほど大きくないこの劇場において、動員数約27万人、売上げ3億6900万円という驚くべき興行成績を収めた。
この記録は、単一映画館における興行成績としては、2021年現在においても未だ破られていない。
って事らしいです。。
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